一口に「ポケットWiFi」と言っても、様々な会社が様々なサービスを提供しています。
どのポケットWiFiを選ぼうかと迷ったとき、まず一番に気にしなければならないことはなんでしょうか?
値段でしょうか?サービスでしょうか?通信速度でしょうか?
どれも勿論大事ですが、違います。
一番大事なのは、そのポケットWiFiが自分の使いたいエリアで使えるかどうかです。
値段やサービスなどの条件がいい所を選んだけれど、自分の住んでいるエリアに対応していなくて使えない…
ということになったら、元も子もありません。
「自分の住んでいる場所はポケットWiFiが繋がるの?」
「一番広いエリアをカバーしていてスピードも速いポケットWiFiはどれ?」
こんな疑問をお持ちの方々のために、WiMAXとY!mobile、そしてdocomoのポケットWiFiの対応エリアを徹底比較します。
- 都会、田舎でそれぞれ広いエリアをカバーしているポケットWiFiはどれなのか
- 自分の住んでいる場所や良く行く出張先などでポケットWiFiが使えるのか、どのように調べたらいいのか?
今回の記事は、このようなことを知りたい方々にオススメの記事です。
都会でつながりやすいのはどこ?
都会に住んでいる人は勿論、そうでなくても仕事先や通学先が都会の人など、都会でポケットWiFiを利用したい人は沢山いると思います。
まずは、都会では、どのポケットWiFiの対応エリアが最も広いのかを調べてみました。
東京周辺の関東地域と大阪周辺の関西地域の2カ所を例として挙げています。
【都会の例1】関東地域
東京周辺の関東地域のサービスエリアの状況については、以下の図の通りです。
上からそれぞれWiMAX、Y!mobile、docomoのサービスエリアを示した図です。それぞれ色のついているところが、ポケットWiFiを利用することが出来るところです。
この図を見れば、東京ではどこのキャリアのポケットWiFiも、広範囲で問題なく利用できることがわかります。
さらに、docomoのエリアマップでは、通信速度が色別で表されており、一目で速度の速いエリア、遅いエリアを見ることが出来ます。
- 赤色…最大速度1,288~988Mbps
- 黄色…最大速度938~250Mbps
- 紫色…最大速度225~37.5Mbps
快適な動画視聴に必要な実測速度は10~30Mbpsほどで、LINEやメールなどの利用に必要な速度は0.2Mbps程です。また、最大速度と実測速度には10~100倍の差があると言われています。
赤色と黄色の範囲では動画視聴を含め、かなり快適にインターネット利用をすることが出来そうです。紫色の範囲でも、LINEやメールなどは問題なく利用出来そうです。しかし、紫色のエリアでは、場所によっては動画をサクサク見られなかったり、写真データの読み込みに時間がかかる場合もあると考えられます。
今回の図ではほとんどが黄色か赤の範囲に含まれており、東京周辺ではかなり快適な速度でインターネットが利用できると言えそうです。
東京の周囲では、各ポケットWiFiのエリアの差はほとんど無く、どのポケットWiFiを選んでもほどんど問題なく利用できると言えるでしょう。
【都会の例2】関西地域
上の図は、大阪を中心に関西の対応エリアを表した図です。関東と同様に、どのポケットWiFiも広い範囲で問題なく利用できるようです。
しかし、地図の中心からやや右寄りの生駒山付近になると、各社共に、若干色が塗られていない箇所があります。色抜けしているのは、ポケットWiFiが対応していないエリアです。
速度も同時に確認できるdocomoの対応エリアを見ると、大阪付近はかなりスピードの速い赤や黄色で塗られていますが、生駒山付近は色が塗られていないか、塗られていても紫色で、通信速度が遅いことがわかります。
都会に近い地域とはいえ、住んでいる人の少ない山間部では、どのポケットWiFiもつながりにくいようです。
都会では、どのキャリアのポケットWiFiもほぼ同じように使える!
その他、名古屋を中心とした東海地方や、札幌、福岡などの地方都市も調べました。
結論から言うと、3キャリアとも大きな差はなく、どの地方都市でもほとんどのエリアで使えます。
どのキャリアを選んでも人口の多い都市では、ポケットWi-Fiが使えないということは無さそうです。
ただし、注意しなければならない点が2点あります。
建物の中、地下などでは繋がりづらい場合も
エリアとして対応していても、建物の中や地下などでは、ポケットWiFiが一時的に繋がりにくい場合があります。
特にWiMAXは、他のキャリアのポケットWiFiに比べて速度が速いというメリットがありますが、SNS上では「ビルの中や地下で繋がらないことがある」という口コミが多く見られます。
これには周波数帯という問題が関わっています。高い周波数を使っている電波ほど速く届きますが、直進性が高く、ビルの影や地下には届きにくいという特徴があります。
WiMAXはその他のLTE回線よりも高い周波数を使っているため、通信速度は速いですが、建物内や地下ではつながりにくい時があるようです。
Y!mobileの無制限プランは使える範囲が狭い
Y!mobileのポケットWiFiは、データの制限が月に5GBのライトプランと、7GBの通常プランがあります。7GBのプランにはアドバンスオプション(月額648円)をつけることで、速度制限無しの無制限プランにすることが出来ます。
Y!mobileのアドバンスオプションをつけている人は、通常モードに切り替えることも出来ます。そのため、もしも、アドバンスモードが繋がらない場合は通常モードに切り替えて、使えるときはアドバンスモードにして利用するということができます。通常モード利用時の合計が月7GBを超えないように使えば問題ありません。
ただし、このアドバンスオプションでは、使えるエリアがかなり狭くなるのて注意が必要です。
アドバンスオプションでは、この図の濃い紫色の所でのみ利用可能です。
WiMAX、docomoの無制限プランでは、使えるエリアは制限のあるプランと変わらないので問題ありませんが、Y!mobileの無制限プランを利用しようとしている人は、注意が必要です。
田舎でもつながりやすいのはどのポケットWiFi?
ここまで、東京付近や大阪付近を例に挙げ、都会ではどのポケットWiFiもほとんど同じように広いエリアに対応していると説明しました。
では、田舎はどうなのでしょうか?
具体的な例として、山間部の四国地方と石川の能登半島をあげてみました。
四国地方
田舎の例として、山間部の多い四国地方で、3つのポケットWiFiを比較してみました。
この図を見るとわかるように、都会ではほとんど差の無かった3社ですが、山間部では大きな差が出ています。
都会の範囲では、ある程度利用可能だったY!mobileのアドバンスオプションは、ほとんど利用できなくなります。
さらに、WiMAXのWiMAX2+の回線は、docomoやY!mobileに比べて圧倒的に対応エリアがせまいです。
図にあるWiMAX(LTE)が示すエリアは、WiMAXのオプションでつけることができる「ハイスピードプラスエリアモード」というプランに加入することで利用することが出来るようになります。
ハイスピードプラスエリアモードとは、WiMAX2+の回線に加えてauのLTE回線が使えるようになるプランです。オプションとして利用でき、月額1,004円です。
docomo、Y!mobile、WiMAX(LTE)で利用できるエリアはほぼ同じですが、強いて言えばdocomoがやや広いエリアをカバーしているように見えます。
能登半島
石川の能登半島についても、各ポケットWiFiの繋がりやすさを比較してみました。
この図を見ると、やはりY!mobileのアドバンスモードや、WiMAX2+の回線は、他の回線に比べてかなり限られたエリアにしか対応していないことがわかります。
WiMAX(LTE)とY!mobile、そしてdocomoの対応エリアには、四国地方と同様に大きな差はありません。
田舎で繋がりやすいのはdocomo!
四国地方や能登半島を例に挙げて、各キャリアの対応エリアを調べたところ、都会よりも、キャリア毎の対応エリアに大きな差があることがわかりました。
広いエリアをカバーしている順に並べると、以下のような順位になります。
1位 docomo
2位 Y!mobile(通常モード)
3位 WiMAX(LTE)
4位 WiMAX(WiMAX2+)
5位 Y!mobile(アドバンスモード)
docomoとY!mobileの通常モード、そしてWiMAX(LTE)には大きな差はありません。
WiMAX2+の回線とY!mobileのアドバンスモードは、田舎や山間部で利用できないことが多いことがわかります。
対応エリアの調べ方
ここまで、いくつかの地方の例を挙げて、各キャリアの対応エリアについて説明してきました。
しかし、皆さんの住んでいるエリアはそれぞれ異なるので、皆さんがポケットWiFiを契約する際には、皆さん自身がポケットWiFiを利用する場所が、対応エリア内であるのかを調べる必要があります。
確認の方法は以下の2種類です。
- ピンポイントエリア検索
- サービスエリア検索
そこで、ここからはWiMAXを例に、ポケットWiFiの対応エリアの確認の仕方を説明します。
ピンポイントエリア検索
ポケットWiFiを利用したい住所や建物名を入力することで、その場所がポケットWiFiの対応エリア内なのかをピンポイントで判定してくれる機能です。
UQコミュニケーションズの公式サイトや、各プロバイダのWiMAXのサイトで「エリア検索」や「エリア確認をする」というボタンを選択します。
今回はBroad WiMAXのページを例に示しています。オレンジ色の矢印①が指している「エリア確認をする」を選択します。
すると、どのプロバイダのページから飛んでも、このようなページが表示されます。
写真の矢印②の指している「ピンポイントエリア検索」を選択すると、住所や建物の入力項目が出てきます。
ここに住所や建物名を入力すれば、自分の住んでいる場所、職場の住所がWiMAXの対応エリアなのかをピンポイントで判定してくれます。
サービスエリア検索
ポケットWiFiを契約した場合、自分の家だけではなく旅行先や出張先などで使えるのかも気になりますよね。
そのような方には、サービスエリア検索がオススメです。どのくらい広い範囲でポケットWiFiが利用できるのかを検索することが出来ます。ここでは、その検索方法を説明します。
途中まで、ピンポイントエリア検索と方法は同じです。
オレンジ色の矢印①の指している「サービスエリアマップ」をタップすると、以下のような画面になります。
緑色の矢印①を切り替えることで、WiMAX2+の回線とLTEの回線の切り替えが出来ます。
LTEは、先ほど説明したWiMAXのハイスピードプラスエリアモードというオプションで利用できる範囲です。
紺色の矢印②が指している様に、都道府県の中で調べたい県をタップすると、その周辺のエリアがグーグルマップ上で表示されます。
例のように東京をタップした場合には、以下のような画面になります。
ピンクで塗られた場所が、WiMAXが利用できる場所です。
この地図上では見当たりませんが、今後拡大予定のエリアは、薄いピンク色で塗られているようです。
以上のような方法で、自分の住んでいる地域や職場が、WiMAXの対応エリアかどうかを検索することが出来ます。
今回はWiMAXを例に説明しましたが、Y!mobileやdocomoも同様に、エリアを調べるサービスが提供されてます。
調べてみても自分の住んでいる場所が対応エリアなのかよくわからないときは、各社、電話で専門家が対応してくれます。各ポケットWiFiのサイトから、サポートセンターに電話してみましょう。
全エリアで使える!?「クラウドSIM」というすごいシステムがある!
ここまで、WiMAXとY!mobile、そしてdocomoのポケットWiFiの対応エリアの説明をしてきました。
それぞれのポケットWiFiは、当然それぞれのキャリアの対応エリアでしか利用することが出来ません。
しかし、auやsoftbank、docomoを含む、全てのエリアでポケットWi-Fiが利用できるシステムがあるのはご存じですか?
このシステムを「クラウドSIM」といいます。
クラウドSIMの仕組み
普通のポケットWiFiでは、端末の中にSIMカードが入っており、SIMに対応するキャリアのインターネットにアクセスすることが出来ます。
しかし、クラウドSIMのポケットWi-Fiの端末内には、SIMカードが入っていません。その代わりにインターネット上でいくつものSIMカードを管理しており、利用する場所に対応しているSIMカードをインターネット上で読み込み、インターネットにつなげることが出来るのです。
例えば、クラウドSIMのシステムを利用しているポケットWiFiでは、softbankの回線がつながる場所ではsoftbankに繋がり、docomoの回線だけがつながる場所ではdocomoにつながるという切り替えを、サーバーが自動判断で行ってくれるということなのです。
クラウドSIMのシステムを利用しているポケットWiFi3選
国内で利用できるポケットWiFiで、クラウドSIMを利用できる機種は3種類あります。それぞれの通信量、料金、契約期間の縛りを簡単に説明します。
どんなときもWi-Fi
- 月間通信量無制限
- 初期費用3,000円、月額3,480円
- 契約期間は2年縛り
NOZOMI Wi-Fi
- 月間通信量100GBまで
- 初期費用6,980円、月額3,780円
- 契約機期間縛りなし
Chat Wifi-SIM
- 月間通信量100GBまで
- 初期費用8,480円、月額2,980円(キャンペーン中)
- 契約期間縛り無し
クラウドSIMのデメリット
ここまで、クラウドSIMの説明をしてきました。
クラウドSIMは全てのキャリアのSIMデータを利用でき、しかもつながるキャリアに自動で切り替えてくれるシステムです。
「そんなすごいシステムがあるなら、皆クラウドSIMのシステムを利用すればいいじゃないか?」
こう思う方もいるかもしれません。しかし、クラウドSIMにもデメリットがあります。
回線は自動切り替えされてしまい、自分で選べない
回線は自動で切り替えられてしまうので、その場で一番速い回線を拾うことが出来るとは限りません。
速度の遅い回線を拾ってしまい、速い回線になかなか切り替わらず、もどかしい思いをすることがあるかもしれません。
クラウドSIMは新しいサービスで、まだ世間に浸透していない
2019年3月にサービスを開始したどんなときもWiFiをはじめとして、クラウドSIMはまだ開始されたばかりのサービスです。WiMAXやY!mobile、docomoのポケットWi-Fiほど世間に浸透しているサービスではありません。
世間に浸透していないということは、まだそれだけ利用者が少ないサービスだということです。利用者が少ないと、どの機種や会社を利用すべきかの情報を集めるのが難しいという問題があります。
まとめ
今回の記事では、WiMAXとY!mobile、そしてdocomoの3社のポケットWiFiについて、対応エリアを比較しました。
結論をまとめると、以下の通りです
- 都会ではどのポケットWiFiも、ほぼ同じエリアをカバーしている。
- 田舎では、docomo、Y!mobile、WiMAX(LTE)はほぼ同じエリアで利用できるが、Y!mobileのアドバンスモードとWiMAX2+の回線は対応していないエリアが多い。
また、クラウドSIMという、様々なSIMを切り替えて利用することで、とても広いエリアをカバーしているサービスがあるということも説明しました。クラウドSIMは、まだ始まったばかりのサービスで、今後さらに普及していくことが期待されます。
皆さんもポケットWiFiを選ぶ際には、ピンポイントエリア検索やサービスエリアマップで、どのポケットWi-Fiを利用することが出来るのか調べるようにするとよいでしょう。
当ページをその参考にしていただければ幸いです。
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